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シール構成、頭飾り、多素材構成遊び

3さい「丸シールの構成遊び」

 

最近本当に集中できる時間が伸びてきましたね。

その分作品も内容が濃くなります。みんなすごいねー。

単純な素材だけどいろんな遊び方を発見するねー。

 

 

 

 

 

4さい「頭飾り」

ホッチキスがとっても上手に使える様になりました。

前が見えなくなるほど盛り盛りなのは、笑ってしまいますね。

なりきりポーズも決まってます。

折ったり、飾ったり、ちぎったりと、紙でできることを

工夫して制作過程に取り入れて作っています。

 

 

 

 

5さい「多素材構成遊び」

園にあるいろんな素材を使って、構成遊びをしました。

素材は画用紙にボンドで付けました。

テーマは「自分で選んで自分で決める。」

もう直ぐ卒園して一年生になるみんなに大切なテーマです。

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●5さいさん、こいのぼりをつくる

こどもの日に向けて園では、こいのぼりをつくる活動をしますね。
世界にただ一つのこいのぼりが青い空に泳ぐ姿は
子どもたちの心に素敵な印象を残してくれるのではないでしょうか。
今回は私の講師として「保育園でのこいのぼりつくり」についてのお話しです。
まず、手順ですが、始めに子どもたち1人ひとりが
「こんなこいのぼりをつくりたいな」「お空に泳がせたいな」という
ものを小さな紙にデザインしてみます。

次に、それらのデザイン画をしばらくクラスに掲示しておいて
クラスのみんなで、どのこいのぼりにしようか話し合います。
基本的に担任の先生は司会のような感じで、子どもたちの意見を
引き出したり、まとめたりするのが役目です。
みんなでつくるデザインが決定したら
大きな紙や不織布(こいのぼり用が売ってたりもします)でつくります。
クラスで一匹の大きなものにするなら裏表で2つのデザインが
選ばれたりしますし、画材も展示場所によって雨に強いものなどが
選ばれたりします。
あとはみんなで手分けをしたり、場所を決めたりして制作していきます。
この時デザイン画を選ばれた子は、みんなの指揮をとったり、みんなに
頼られたりすることもあります。

そうして出来上がったら、先生が裏表を縫ったり、紐を取り付けたりして
完成します。
園庭に飾ったり、公共の場に飾ったり、クラスに飾ったり、園によって飾り方は
様々ですが、子どもたちが自分たちで決めて自分たちでつくった世界唯一の
こいのぼりはとても誇らしげに飾られます。
私がこの活動を毎年取り入れている理由は、この活動の大事な部分は
「みんなで話し合って決める体験」だと思っているからです。
この話し合いは5さいさんならではの「できること」だと思いますし
4月になって初めてのクラスの共同制作というタイミングもあって
これから一年間クラスをつくっていく先生にとっても大事な体験に
なるのだと思っています。
話し合いの結末は色々な落としどころがあってもいいのです。
デザインの頭部と他の子のデザインのシッポ部分とを合体させちゃおう!とか
みんなで細かく部分を分けて塗っていこうとか。
大事なのは子どもたちが自分たちで自主的に決めるという体験をすることです。
先生が単に子どもに提案して、子どもがそれに従うのはスムーズに物事が
運ぶかもしれませんが、それでは子どもが主体的に物事に取り組む喜びや姿勢が
育ちません。
こいのぼりをつくることが目的なのではなく、こいのぼりつくりを通して「何か」を
伝えることが目的なのです。
こいのぼりの完成は きっかけ に過ぎません。
保育における造形活動は、そこのところが分かっているかいないかによって
大きく勘違いしたものになってしまう怖さがあります。
子どもの育ちに寄り添い、後押しするすることが「造形の意味」なんです。
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●思い入れる

奥にピアノを弾いてる先生が!

これらの絵
さて何の絵でしょう?
正解は「発表会の絵」です。
園ではよく、子ども達が自分で体験した行事を
思い出してお絵描きします。
「行事画」とか「印象画」などといいます。
それはまー、よくある話しなのですが、今回取り上げたのは
これらの表現を私は「おもしろいなー」と思ったからです。
この園のその年の演目は題名は忘れましたが(すみません)
たくさんの動物が出てくる話しでした。
先生のお話しを聞くと、とっても頑張って、みんなで協力して
素晴らしい会になったとのことでした。
さて、絵の話し
よく見て下さい、普通発表会の絵というのは演目を頑張っている
自分たちの様子を描くもんです、それなのにこの絵の中には
人間の自分たちの姿が見当たりませんね。
そうなのです、この子たちは役を演じる自分を通り越して
「役そのものの動物達を自分の思い出として描いている」のです。
それって凄くありませんか!もはや子ども達の中では演じる自分は
そこにはいなくて、役の動物そのものがリアルな感覚としているみたい
なのです。
そこまで思い入れて発表会ができるなんて、そりゃー楽しい嬉しい
体験だったに違いありません。
「その気になる」のが得意技の子ども達ですが「そのものとして居る」なんて。
すごいですよねー。
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●絵(かたち)を描く為の考え方

まずはロケット形を描いて切るよ

紙に貼って何に変身させようかな

ロケット、電車、魚に変身!

5さい「お絵描きしよう〜ロケット形から〜」
例えば、動物でも、人でも、乗り物でも、絵を描く為には
その形を自分なりに納得のいくように表せなくてはいけません。
それは年齢が上がり、自分の表す物に対して求めるものが高度に
なればなるほど、思う通りにできない自分の絵が嫌になり
お絵描きがつまらないもの、自信の持てないものになっていきます。
上手く表せない、自身のない子や人の描き方を見ていると
どうも、1本の輪郭線で表そうとしているように思えました。
輪郭だけの一発の線で描くというのは、とても難しく、全体の
バランスを認識しながら、さらに今引いている線をイメージ通りに
動かさなければいけません。
これは描き慣れた画家さんにも難しいことをやろうとしているようなもので
それは失敗もするし嫌になってしまうだろうなという感じです。
(逆に一発で描く緊張感が子どもの絵を魅力的にしている要因でもありますが)
逆に、絵を描くのがへっちゃらの人は、絵をパーツの組み合わせと考えます。
大きなパーツに小さなパーツをくっ付けていくことで完成させていくのです。
例えば象さんならば、体の形を長まるや四角で描いて、そこにその他のパーツ
である足や顔や耳や鼻をくっ付けていくのです。
絵を描く喜びは形が自分の思い通りに描けるというだけではありませんが
その事を気にするあまり白い紙を目の前に手が出ない子どももいます。
今回の活動は、そうした基礎のパーツがあれば何だって描けちゃうよ!という
事を伝えようと思い考えたものです。
始めに八つ切りの¼サイズの画用紙にロケットの様な形を描きます。
なぜこの形になったかと言うと、四角では生き物らしくないし、楕円形は
絵に自信のない子からすると、どのくらいの長まるか自身が持てなくて
手が出なくなると思ったからです。(自信のない子はそんな簡単なことすら
手が出ないのです)。
ロケット形は、描き順も示しました。
1、紙に1を描く
2、その横にまた1をかいて11にする
3、下を繋いでコップみたいな形にする
4、上をお山で繋ぐ
だれでもどんな自信のない子でもできるようにみんなで一斉に描いてみます。
(一枚描ければ2枚目からは自分でできるようになります)
できたロケット形を大きい画用紙(今回は四つ切りの正方形サイズ)に貼って
それに足をはやしたり、耳をくっ付けたりして何かにします。
動物でも、人でも、乗り物でもいいのです。
活動の様子は写真で紹介します。
この活動のポイントは誰でもできるやり方で「自分も出来た!」と自信を
付けてもらうこと、そこから自分のやりかたを広げてもらうことだと思います。
自信のない子や、お絵描きが嫌いな子は、始めの一歩の後押しさえあれば
そこからは自分でグングン進んでいく力を潜在させています。
始めの一歩を踏み出す勇気と喜びが大事なのです。
ちなみに、
元来、子どもは、こんなことをしなくても十分自分なりに絵を描きます。
上手下手の問題ではなく、自分なりに満足し、人に認められる喜びを
感じることが出来ればそれで十分です。
ですから、この「定型」を教えるような活動は毎回やるものではありませんし
そもそも「定型」を教え込んで子どもの絵の自由が無くなるんじゃないか
という考え方もあると思います。
しかし、私は子どもには「定型」を破る力があると信じています。
始めの一歩の自信さえ身につければ「定型」超えて自分の足で堂々と
歩けるのです。
また、文章がながくなり、少し散らかりましたが、もしも身近でお絵描き嫌いや
自信のないお子さんがいたら、遊びの一つとしていかがでしょうか。
大人も子どもも含めて「気楽に絵を描いて楽しめる」ようになればと思います。

人にするのかな?

鳥さんをきっかけに世界が広がってきました

人やベットにしたんだね

線が描けたら色鉛筆で色付けしたよ

場面に分けて描いています

人が踊っているみたい

元々上手な子も楽しめます

お兄さんとお姉さんと私と鳥ちゃん

よく塗ったねー!きれい!

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●その後のKちゃん、そして思うこと。

頭飾りもお魚。

どんな課題もお魚が登場します

5さい始めの絵

以前、このページで取り上げた「絵を描く事に楽しさを見いだせないKちゃん(4さい)」の話しを書きました。
その後のお話を書きます。
そしてKちゃんとの関わりを経て、私が最後に感じた事のお話です。
4さいの終わり頃からKちゃんの絵に変化が起き始めました。元々生き物が大好きだった
Kちゃんは、自分なりに、お魚の描き方をあみ出しマスターしたのです。
自分の好きな物、思いのある物を、形として目の前に表せることは、とても嬉しいことです。Kちゃんは、そのお魚の形を繰り返し繰り返し、確かめる様に描きました。どんな活動をしても、その自分の得意技であるお魚を描く様になりました。

4月 繰り返し描きます

少し進化しました

工夫も見られるようになりました

そこからはもうお魚三昧です。
私は、Kちゃんが「形」を手に入れた事は、歓迎すべき事だと思いました。今まで、とにかく喜びを見いだせないでいたのに、一つ「形」を手に入れた事で、その子の得意技になり、描く事にも積極性が出て来たのです。
そのうち、カニが登場し、エビが登場し、イカやクラゲも描かれるようになりました。
一つできる事を手に入れて、そこから自分の世界を広げていく姿は、一人の人間の生き方そのもののように思えました。
5さいの秋頃には、クラスでも、「お魚と言えばKちゃん」という地位を築き、お友だちに、描き方を指導する姿までも見られました。
その自信のお陰か、担任の先生を絵の具で描く活動も、頑張って挑戦できた事は、4さいの頃からは考えられないくらいの成長ぶりでした。
クリスマスカードや、最後に先生の顔を描く時も、周りにお魚を描いていました。
造形としては、ここまで関わって、無事卒園という事になりました。

カニの形も手に入れました

エビも表れました

5月 だんだんと賑やかになってきます

7月 イカやクラゲや貝も

サメらしき魚も

段ボールも魚です

これは本当に頑張りました!

クリスマスカードも周りは魚

先生の顔の絵も魚です

さて、ここからが私の今の考えです。
Kちゃんが、得意の形を手に入れ、自信を持てた事はよいことだと思います。
しかし、冷静に考えると、もしかして私は、大きな間違えをしていたのではないかと思い始めました。
確かに始めは、お魚を描ける事は、喜びであり、積極的な行動だったと思います。
でも後半は本当にそうだったのでしょうか?
もしかしたらKちゃんは、こう思っていたのではないでしょうか。
「お魚さえ描けば、なんとかなる。」
とくに後半、「クリスマスカード」と「先生の顔の絵」を描いた時は、もう、それしかできる事が無いから描いた、というふうに感じました。描いている時や、出来上がって見せてくれる時の姿や表情から、そう感じたのです。
元々、絵を描く事に苦手意識のあったKちゃんの気持ちを考えると、お絵描きで自分を表現する喜びよりも、お絵描きの時間をなんとか上手くクリアーしようという気持ちになるのは、とてもよくわかります。
それはそれで生きていく知恵かもしれないし、彼なりの成長でした。
しかし、造形講師として出会ったからには、なんとかその先まで彼を導いてあげたかったです。
今回の事は、私にとってとてもショックで、残念な事でした。
得意技=素晴らしい事  以外に
得意技=それ以外は自信が無い事  という見方がある事を、改めて考え直しました。
造形は自分の世界を深める場であると同時に、自分の世界を広げるきっかけになりうる場でもあります。その為には、時には、あえて得意技を封じて、子どもが思考停止(楽なやりかた)に陥らない様な課題の設定も大切なのだと思いました。
皆さんは、どう考えますか?